子どものトラブル ー「かして」と言われたらどうすればいい?ー
こんにちは!おまめ先生です!
今回は「子ども同士のトラブル」をどうするか!?
について書いていきたいと思います。
ママやパパだけでなく、保育者にも参考になるように書いていきますね。
突然ですが、自分の子(目の前の子)がお友だちから
「かして」と言われたらどうしますか?
「かしてって言っているよ。貸してあげなさい」
と言ってしまう人が多いのではないでしょうか。
「貸してあげなさい」と言いつつ、「本当は自分の子が遊んでいるのにな…」と思っている人も多いはず。
子ども同士の「おもちゃの貸し借り」ってどうすればいいの?と
悩んでいる人いますよね。
私も、保育士を始めた頃どうすればよいのか全くわからず、
「かしてって言ってるから貸したら?」
「いっぱい持ってるから貸してあげて」
などと言っていた気がします。
全部自分のものにしたい時期
1歳後半くらいから2才児にかけて、身の回りのものを「自分のものにしたい」という気持ちが出てきます。
これは、自我の芽生えの延長にある、「自分の好きなものへの執着」が関係しています。
どの子にもある時期なので、
「私の子は自己中だ・・・」なんて思わないでくださいね。
その延長で、周りの人やお友だちが使っているものも
「自分のものにしたい!!」という気持ちが出てきます。
これが、勝手におもちゃを取ってしまう行為に表れています。
勝手に人のものを取ってしまうことはいけないので、
大人はその子に対して
「これは、〇〇ちゃんが使っているよ。使いたかったのかな?
使いたいときは、“かして”って言うんだよ」
と「かして」と言うことを伝えますよね。
「かして」と言えるようになることは、とっても大切です。
自分の気持ちを他者に伝えることにも繋がります。
「かして」と言われると・・・?
全部「自分のものにしたい」と思っているこの時期の子どもたちにとって、
「かして」
と言われることは、
「自分のものが取られてしまう!!!!」
と感じてしまいます。
なかなか、「いいよ」とすんなり貸してあげることは難しいです。
「かして」に対して「だめよ」と言ったとしても、
その子が優しくないからではないのです!
「自分の所有物を取られたくない!!」という気持ちでいっぱいなんです。
「だめなんだね。これは、〇〇ちゃん(あなた)にとって大切なものだよね」
と「だめ」と言った子の気持ちを受け入れることはとっても大事です。
子どもも、身近な大人が自分の気持ちを受け入れてくれたと思うことで、
自己主張がしっかりできるようになります。
「かして」→「いいよ」は正解ではない
子どもの気持ちを考えると
「かして」→「いいよ」が正解ではないことがわかりますよね。
たとえ、その子がたくさん使っていたとしても
その子にとって今、それは「大切な自分の所有物」なんです。
「こんなにたくさん使っているんだから貸してあげなさい」
と大人が勝手にお友だちに貸してしまっては、
所有物を勝手に取った泥棒と一緒になってしまいます。
子どもが「だめ」と言っているのであれば「ダメ」なんです。
相手に思いやりの気持ちをもってもらうためには?
子どもが「だめ」なら「だめ」とはわかっていても
お友だちにも貸してあげられるようになってほしいと思いますよね。
「かして」「だめよ」で子どもの会話を終わらせるのではなく、
「〇〇ちゃんも使いたいみたいだよ」
とお友だちが「使いたい」という気持ちを持っていることを、
大人の言葉でもう一度その子に伝えることで、相手の気持ちに気づくことができます。
そういったことを繰り返すことで、
少しずつお友だちの気持ちにも目を向けることができるようになり、
「いいよ」と子どもから貸してあげられる時も出てくるかもしれません。
待てば使える経験もアリ
「かして」に対して、すぐには貸せないことが多いのが事実。
「だめよ」と言った時に、
「今は使っているからダメなんだね。使い終わったら貸してあげるのはどう?」
とその子が遊び終わったあとに、貸してあげるのはどうか?と提案してみるのもいいと思います。
最初は、「終わったら」の概念がわからず
「だめ」と言ってしまうことが多いですが、
貸すのは「今ではないこと、遊び終わってからであること」を繰り返し伝えることで、
「終わったら」を理解できるようになります。
ここで大事なのは、
終わったら“貸す”を必ず大人が保証することです。
使っていた子が遊び終わったなと思ったら、
「〇〇ちゃん終わったみたいだよ」
と遊びたかった子に声をかけます。
そうすることで、「待てば使える」ことがわかり、
次のトラブルの時に繋がっていきます。
子ども同士でやり取りができるようになってきたら、使っていた子に
「遊び終わったの?〇〇ちゃんに終わったよって教えてきてくれる?」
と子ども同士で、貸し借りのやり取りができると素敵ですよね。
子どもが小さい時ほど、
「どうせ、忘れてるでしょ」と思って、“貸す”を保証せずに流してしまいがちです。
たとえ、「もう使わない」となったとしても、
子どもが約束をしたことを大人が忘れずに対応することが、
のちの子ども同士のやり取りに繋がっていくはずです。
トラブルは社会性を身につける
子ども同士のトラブルは、「悪いこと」ではありません。
トラブルを通して、子どもたちは
「社会」を知っていきます。
モノの貸し借りを通して、他者の気持ちを知ったり、順番を守ったりということに繋がっていきます。
トラブルが起きたら
「さあ!!成長のチャンス!!」
と思って、じっくり子どもに関わることが出来たらいいですよね!!
大事なことは、大人の意見を押し付けるのではなく、
「子どもの気持ち」を尊重してあげることです。
子どもの気持ちを受け止めながら、トラブルを一緒に解決していきましょう!